下肢のマッサージが、デイサービス利用高齢者の心理および生理状態に及ぼす影響

下肢のマッサージがデイサービス利用高齢者の
心理および生理状態に及ぼす影響

指導 長田 久雄 教授 より

第 1 章 研究の背景

1.1 はじめに

近年、高齢者の健康増進や介護予防を目指して、生活指導や運動指導等さまざまな取り
組みがなされている。それと同時に、各病院や施設では運動以外にもマッサージや足浴、
アロマセラピー等、患者や施設利用者の安楽やリラクゼーションをもたらすことを目的と
した取り組みが行われている。その中の一つにマッサージも存在する。

1.2 先行研究

マッサージの研究は各分野でなされており、その効果や生理反応のメカニズムが明らか
になってきた。しかし、マッサージの目的や用いる手技、部位に関してその技術体系が多
岐にわたる上、経験則によるところが多い。また対象は若年者や疼痛や手術後の患者が多
く高齢者を対象にした研究や若年者との比較をした研究は少ないのが現状である。

1.3 研究の意義

簡便さのあるマッサージのリラクゼーション効果が科学的に実証され、併せて有効な下
肢のマッサージ技法が確立されることで、高齢者や患者のストレスや痛み、緊張を緩和し
QOL の向上をもたらす一助となると考える。

1.4 目的

下肢のマッサージを行い、自律神経機能や循環動態、心理面にどのような変化をもたら
すかを検証する。特に、高齢者は加齢による生理機能の変化を受けているということに着
目し、そのマッサージ効果が若年者と比較していかなるものかを明らかにする。

第 2 章 方法

2.1 対象

対象 1 として健康な成人女性 20 名、対象 2 として介護予防デイサービスを利用してい
る高齢女性 15 名を対象とした。

2.2 手続き

1)環境:室温 22.5~23.5℃、湿度 40~60%の室内で行い、照明、音も一定に設定した。
2)手順:対象者は実験室入室後 POMS 短縮版に取り組み、その後ベッド上に仰臥位となる。
心電図の電極と血圧計を装着し、安静 5 分後に筋硬度、皮膚温、血圧を測定し、心電図の
解析を開始する。マッサージを 30 分実施する。マッサージ終了後、仰臥位のまま筋硬度、
皮膚温を再度測定し、終了 5 分後に心電図、血圧計をはずし、POMS に回答してもらう。

3)マッサージの方法:日本エステティック協会「標準エステティック学 技術編Ⅱ」(2000)
の手技を用いた。マッサージ実施者は有資格者で手技の統一をはかった。

4)測定内容・測定方法
①心拍数、血圧は左上腕部に自動血圧計(オムロン)を装着し 5 分間隔で測定した。
②筋硬度は NEUTONE TDM-NI/NA1 にて、左下腿後面(腓腹筋筋腹)、左下腿前面(前脛骨筋)、
左肩(僧帽筋下行線維)の 3 部位を前後に測定した。
③表面皮膚温は表面温度計 RayTemp8(ETI Ltd)を用いて、足底・下腿後面・手掌部の 3
部位を前後に測定した。
④自律神経機能は、心電計(LRR-03、GMS)にて心電図を測定し、同時に心拍ゆらぎ解析シ
ステム MemCalc/Tarawa(諏訪トラスト社)にて解析を行った。その際、低周波成分は
0.04/0.15Hz、高周波成分は 0.15/0.40Hz として解析し、副交感神経活動の指標に高周
波成分(HF)、交感神経活動の指標に LF と HF の比(LF/HF)を用いた。

⑤気分の評価は、30 問の POMS 短縮版を用いた。

2.3 分析方法

各測定項目について二元配置分散分析にて、独立変数「マッサージ前・後」もしくは「安
静時・5 分後・10 分後…30 分後」と、「若年者・高齢者」について、それぞれの主効果と
交互作用を分析した。

第 3 章 結果

①対象の属性:対象1の若年女性 20 名の年齢は 19~34 歳で平均年齢は 22.8±6.4 歳、対
象 2 の高齢女性 15 名の年齢は 68~81 歳で平均年齢は 74.0±4.0 歳であった。

②心拍数:若年者・高齢者では高齢者のほうが有意に高かった。また、若年者・高齢者そ
れぞれの経時的な変化も、実施前と比較してすべてにおいて有意に低下した。交互作用は
見られなかった。

③血圧:若年者・高齢者では高齢者のほうが有意に高かった。また、若年者・高齢者それ
ぞれの経時的な変化も収縮期血圧、拡張期血圧ともに、実施前と比較してすべてにおいて
有意に低下を示した。交互作用は見られなかった。

④筋硬度:若年者・高齢者では高齢者のほうが有意に低かった。また、若年者・高齢者そ
れぞれの前後比較も 3 部とも有意に低下した。交互作用については見られなかった。
⑤表面皮膚温:若年者・高齢者ともにマッサージ実施前後の変化は、3 部位とも実施前後
で有意に増加した。また交互作用が存在した。

⑥自律神経機能:LF/HF は高齢者のほうが有意に高く、LF 成分、HF 成分は有意に低かった。
若年者、高齢者とも LF、HF 成分は、実施前と比較して 30 分間に有意な変化はなかった。
LF/HF は、若年者、高齢者ともに有意な低下が見られた。交互作用は見られなかった。
⑦気分の評価:若年者では「緊張―不安」「抑うつ―落ち込み」「疲労」「混乱」が実施前後
で有意に低下した。「怒り―敵意」「活気」は差がなかった。高齢者では、「緊張―不安」「疲
労」「混乱」が有意に低下し、「抑うつ―落ち込み」「怒り―敵意」「活気」は差がなかった。

第 4 章 考察

今回用いたマッサージは、触・圧覚受容器に対して適刺激を入力することになる。これ
により、皮下や皮下組織の局所循環を促進し、皮膚温の上昇をもたらし、さらに、自律神
経系への作用が交感神経の緊張を低下させ、心臓副交感神経が優位になった結果、心拍数、
血圧、LF/HF、筋硬度が低下したと考察できる。心理面では Lazarus,R,S のストレス情動
26)である「緊張―不安」、「抑うつ―落ち込み」の得点とストレスと正の相関がある「疲労」
の得点の低下と併せて、ストレスの緩和、つまり心理的にリラクゼーションできた。さら
に、若年者と高齢者の比較から、自律神経機能に差がある高齢者であるが、マッサージの
結果得られた心拍数の低下や血圧の低下等の生体反応および心理面は、若年者と同様なも
のであったと考える。

第 5 章 今後の課題

今回はマッサージを 1 回施術した際の即時効果のみを検証したものである。マッサージ
の効果がどのくらい持続するかを明らかにすることで、今後、高齢者に対するマッサージ
介入のタイミングなどの良い指標となると考える。さらに、1 回のみの効果ではなく、マ
ッサージ施術を定期的に長期間行った際に高齢者の生理・心理面にどのような効果をもた
らしていくのかを明らかにしていくことも必要と考える。

少し難しい話になりましたが、
高齢者の方にマッサージを
行うことは、体温上昇、リラクゼーション効果
血圧低下と身体のあらゆる改善、活性化につながって
いるということです。

いちご鍼灸マッサージでは、
焼津市、藤枝市の皆様を中心に
ご自宅にお伺いし1人1人の状態に合わせた
マッサージを行なっています。

 

 

 

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